vivoが9月に発表したNEXシリーズの最新スマートフォン、「vivo NEX 3 5G」の実機を使用したハンズオンレビューを紹介します。
NEX 3 5Gは、NEXシリーズでは初となる5G対応モデルとしてリリースされ、Qualcomm Snapdragon 855 PlusやWaterfall Fullview Displayを搭載したハイエンド機です。
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Contents
vivo NEX 3 5Gの主な仕様
NEX 3 5G デザイン
NEXシリーズはDual Displayを除いて、一環してシンプルな本体デザインを採用しています。
手に入れた深空流光(ブラック系 / 直訳Deep air streamer)は、深みのあるブラック系のレイヤーとなっており、トレンドにもなっている光の角度によって異なる色になるデザインが表現されています。
本体中央には3つのレンズを搭載するサークル型のカメラが搭載され、これはDual Displayのデザインを継承しているようにも感じますが、NEX 3は時計の文字盤をコンセプト的にデザインされているようです。
手に持ってみると本体の大きさに驚きます。というもの、本体は167.44 × 76.14 × 9.4mmと大型で重量は218.5gあり、スマートフォンの中でも最重量クラスに入ると思います。
私は標準男性以上の手の大きさだと思いますが、カーブデザインを使用した本体のフィット感は良く、大きさ自体は特別気にならないといった印象です。ただ、重さに関しては片手操作はかなり苦労する印象で、通常の姿勢で操作するには特に気になることはないものの、仰向けの状態で操作するにはディスプレイの形状や重さによって多少困難になります。
後で詳しく書きますが、搭載しているディスプレイによってフレームがかなり狭く設計されているのでケースの淵が細く、手に持てる所がほぼありません。なので、通常使用には大きな問題はありませんが、仰向けで寝るときに手に持ってゲームをするには難しい端末と言えます。
新たに搭載した感圧式ボタン
また、ディスプレイに関連した新たな機能として、NEX 3には感圧式のボタンが新たに採用されています。これは、コンセプトスマートフォン、「vivo APEX 2019」でも搭載していた機能として紹介されており、従来よりもフレームよりも狭く設計している関係で、従来は物理ボタンがある場所に仮想ボタンが配置されています。
文字通りボタンはなく、本体内部に7つの感圧センサーとX軸モーターで構成された独立したボリューム+電源ボタンが搭載されています。独立していることによってスマートフォンの電源がオフになっている時も使用することができ、圧力の強さはスマートフォンの設定内から5段階の変更ができます。加えて、指でボタンを判断できないのを補うことために、画面にボタンのナビゲーションを表示させることもでき、バーチャルサイドボタンを表示させて音量調節もできます。
これには慣れが必要だと思いますが、バイブレーションの感触によって物理ボタンとあまり変わらない感覚で調節ができます。
また、フレーム上部には電源ボタン(物理ボタン)があります。これは純正ケースを使用した場合に隠されるほか、大きさ的に押しにくい場所に配置されているためほぼ使用しません。
その他に、Type-Cポート、3.5mmイヤホンジャック、Dual SIMスロット、モノラルスピーカー、ポップアップカメラがあります。
NEX 3 5Gディスプレイ
NEX 3 5Gでは新たに採用されたWaterfall Fullview Displayが一番の注目になっていると思います。実際に、OPPOがカーブ角度ほぼ90°のディスプレイを発表した時は驚きましたが、vivoはOPPOよりも先にNEX 3に採用しました。
ディスプレイサイズは6.89 inch 2256 × 1080 FHD+で、ディスプレイ対ボディ比99.6%です。両端がカーブしたWaterfall Fullview Displayになっていることで、前面はほぼ全てが画面です。そのおかげで、ディスプレイサイズ以上に大きさを感じることはありません。
vivoはこのディスプレイのカーブをほぼ90°と発表しており、正確な数値は不明ですが実際に使用してみると90°に近いことがわかります。
角度がかなりついたディスプレイのため、誤タッチが気になるところではありますが、実際に操作してみるとそこまで気になることはなく、カーブ部が手に当たることによって誤タッチが起こることは少ないです。(手の大きさによります)
また、NEX 3はE3 Super AMOLEDを搭載しており、鮮やかで詳細な色設定が可能で、P3広色域、sRGBとHDR 10をサポート、明るさは最大800nit(最小1.9nit)まで明るさを調節することができます。800nitまで調節可能であれば太陽光や明るい場所でも視野的には問題ありません。
OnePlus 7シリーズでは解像度がQHD+やリフレッシュレート90Hzにアップグレードされたディスプレイを搭載しており、これらを搭載しないNEXシリーズはプロセッサーと大画面を完全に生かせる構成になっていないことが少し残念ではあります。
NEX 3 5Gソフトウェア
Android 9 PieをベースにしたFuntouch OS 9.1は、現在のvivoスマートフォンの最新バージョンになります。現行バージョンではダークモードもサポートしており、フルスクリーンジェスチャーの追加や2つのWi-Fiに接続して通信できるデュアルWLANアクセラレーションなども追加されています。
以前のレビューから指摘しているように、OPPOのColorOSと同様に制限が多いソフトウェアの一つになっています。
ランチャーの変更にはvivoアカウントのログインが必要で、その他一部サービスもログイン後に変更できるものがあります。ただ、大陸版と言ってもvivoのアプリストアからGoogle製のアプリをダウンロードすれば、Google Play StoreがインストールされるのでGoogleサービスを使用するのは比較的容易です。
UIは中国メーカーらしいiOSライクなショートカットセンターや、Stock Androidよりもかなり多くの機能が搭載されています。この部分のメリットで言えば、多機能で細かく設定できるというところが挙げられますが、デメリットで言うと項目が細分化されすぎて使いこなすには多少時間がかかるという点でしょうか。
通知系の制御に関してはアプリフリーズをオフにして通知をオンにした後にアプリをバックグラウンドを動かしておけば問題なく通知が来ます。ただ、今のところ勝手にバックグラウンドアプリを停止するということはないと思います。
心配なのはOSのアップグレードや定期的なアップデートの提供ですが、購入してから2つほどアップデートが提供されています。現時点ではセキュリティパッチや修正パッチが主で、Android 10のアップグレードに関してはいつになるかはわかりません。せっかくのハイエンド機なので、早期の最新バージョンの提供を期待したいと思います。
NEX 3 5Gスペック・ベンチマーク
Qualcomm Snapdragon 855 Plusを搭載したiQOO Proが発表されたことで、NEX 3は最上位モデルではありませんが、これまでの端末と同様でパフォーマンス的には現行のAndroidスマートフォンの中でもトップクラスです。
NEX 3は、Snapdragon 855 Plus 2.96GHz Octa Coreに8GB RAM+256GB ROMを搭載します。構成的は他社フラッグシップ機と同様ですが、ストレージには最新のUFS 3.0を内蔵しています。この組み合わせだと、アプリを開くスピードやインストールスピードも体感的に大幅に上昇し、ベンチマークスコアにも大幅に反映されています。
UFS 2.1でも特に困ることは一切ありませんが、全体的なパフォーマンスを気にする方はUFS 3.0を搭載するスマートフォンは必須になるかもしれません。
参考程度にベンチマークスコアを測定しました。Antutu V7とV8、Geekbench 5を使用しています。
ストレージはAndrobenchを使用しています。
ゲームパフォーマンスに関しては、Socの最適化さえ行われていれば基本的にフレームレートも安定してプレイできます。Funtouch OSにはウルトラゲームモードが搭載されているため、CPUとRAMの最適化やネットワーク接続の設定などができます。(ゲームは任意で追加可能)
その他にも、NFCやイヤホンジャックを使用することで内蔵したAK4377AによってHi-Fiサウンドを楽しむことができます。
さらに、ゲームや音楽、5G通信を長時間行っても長持ちするバッテリーも備え、付属している専用アダプターを使用することで44W vivo Super FlashChargeも使えます。
バッテリーは4500mAhを内蔵していて、私の使い方(メッセージアプリ100通程度、ウェアブラウジング 1時間、ゲーム1時間~1時間30分、SNS 1時間、音楽、その他動作)では1日から1日半くらい充電なしで使用することができました。
5G通信やゲームを長時間プレイするという環境ではバッテリーはもたないと思われますが、大きなディスプレイを搭載している割には長時間使用できる印象です。
NEX 3 5Gカメラ
カメラは、64MP(f/1.8)+13MP(2倍光学ズーム / 20倍デジタルズーム)+13MP(120° / 2.5cmマクロ)の組み合わせのトリプルカメラと、16MPフロントカメラを搭載します。
64MPは話題となったSamsung GW1だと思われますが、このセンサーは1/1.7インチ、0.8umピクセル(4 in 1)、f/1.8口径でISOCELL Plus、Smart ISO、ハイブリッド3D HDRをサポートしています。また、NEX 3は64MPモードで撮影した写真は9216 × 6912で出力されます。
さらに、プロフェッショナルモードを使用することで、64MP RAW撮影も設定できます。
その他にも、ダイナミックレンジは最大12.3 EVに達するHyper HDR、12-16枚の写真を合成してノイズを軽減させるSuper Night View 2.0、ポートレート撮影後に被写体と背景を分離して編集できるAI Image mattingなどをサポートしています。後のアップデートでスーパー手ぶれ防止機能が追加されました。
カメラUIは非常に使いやすくなった印象で、撮影しているシーンを認識して広角 / 超広角 / マクロの最適なモードを画面上で案内してくれます。また、よく使う撮影モードを入れ替えることもできます。
下の画像は実際にカメラを使用した際に撮影したものです。日中の写真撮影では空の色やダイナミックレンジはスマートフォンのカメラでは十分なほどです。さらに、AI処理が優秀になったのか、このカメラで撮影した料理の写真は鮮やかで手軽に撮影することができます。
*写真を開くと1MB~4MBの写真が表示されます。
しかし、このカメラの見どころでもあるバックライト時の撮影では、多少写真全体が白っぽくなり、処理自体は今一つという感じでした。
ただ、13MP超広角カメラはメインカメラから大幅に品質が落ちることなく、広い範囲の撮影が可能で歪み補正もできます。専用のレンズを搭載しているわけではないですが、花や小型の虫などを近い距離で撮影できるマクロも搭載します。
広角 / 超広角
AI / 夜景モード
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ハンズオンまとめ
vivoスマートフォンでは最高級となるNEX 3 5Gをレビューしました。5Gをサポートしたことによって5600元を超える価格に設定されてます。
手にしてみると、Waterfall Fullview Displayが真新しい感覚を与えてくれる次世代スマートフォンです。このディスプレイを搭載することで、狭いフレームや感圧式ボタンを採用していて、使用感というところが一番の不安でもありました。しかし、最初の違和感は数日したら特に気になることはなく、大きさになれてしまえば普通のスマートフォンと同様です。
ただ、90°近いカーブを採用しているディスプレイは通常使用では問題はないものの、画面全体に表示されるゲームや映像などは見にくく、人によっては使用に支障をきたす場合があると思います。視覚的な問題は慣れという部分で補えない部分もあると思うので、万人受けするディスプレイではないという印象でした。
しかし、Waterfall Fullview Display、感圧ボタン、Snapdragon 855 Plusや5G対応など、次世代スマートフォンで採用されるような仕様もいくつか載せているため、面白い端末ではあると思います。
ちょっと変わったスマートフォンが欲しいという方にとってはいい端末ではないでしょうか。
vivo NEX 3は、4G / 5G共にAliexpressで購入できます。ショップによって価格や納期が異なります。価格は中国国内で販売されてる価格とほぼ変わりません。気になっている方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
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